太田家住宅

広島県鞆ノ津(鞆の浦)にある、重要文化財「太田家住宅」を、見学しました。

太田家住宅( おおたけじゅうたく) - 福山市ホームページ

建物は主屋や土蔵など、9棟からなる建物群です。

江戸時代中期から後期にかけて、保命酒屋 中村家が家屋敷を購入しながら拡張・増築し、ほぼ現在の規模になったそうです。明治期に太田家が受け継ぎ、「太田家住宅」となりました。
ちなみに保命酒とは、16種類の漢方薬の入った薬酒です。現在、中村家は製造してませんが、ほとんど変わらない方法で数社が製造しているそうです。各社の工夫があるので、若干、味が違うとのことです。

建物の随所にこだわりのセンスが光り、けれど華美ではなく、素晴らしかったです。

店土間には瓦と漆喰で作られた市松模様の床・網代天井…最初から見応えがありました。倉庫のなまこ壁にあしらわれたサイコロの意匠…ユニークで実用的な発想に、ワクワクします。そして建物のさりげない所にも、手間がかけられ、見れば見るほど魅力的な発見があります。
トイレそばのお庭に拝見できる、音消しの壺なるものは、初めて知りました。
茶室は4部屋のうち見られるのは一階の3部屋だけでしたが、それぞれ異なっており、勉強になりました。

上の間や大広間は上席のようで、中継ぎ表が使われていました。この中継ぎ表は、四年前に亡くなられた廣川さんが自分で育てたイ草を、動力機で織られたもので、正真正銘の備後表でした。
案内人の方が、この伝統産業を大切に思われ、しっかりと説明されていて、忘れ去られようとしている灯火を守っていらっしゃるように感じられました。ここで廣川さんの遺構に出会えるとは予想外で、しかも陽の目を見るように扱ってくれて、たいへん嬉しかったです。

残念だったのは、二階が公開されていないことと、お向かいにある重要文化財の別邸「朝宗亭」が見学できないことです。いつか機会がありますように!

2014.11.16